世界じゅうのティツィアーノに捧ぐ。



いま、ジョルジョは独立して、どうやったら成功するのか、指南書を読みふけっている。またフィリポはやはり独立を考えて、同じ道の先達に教え請おうと、講演会に足繁く通っている。しばらくして、メールを届けてくれる。「あの本にこんなことが書いてあった!」「あの人が言った×××、よかった!」

本にはそう書いてあって、あの人はそう言った。そういう事実はそこに確かにあったんだと思う。でも、友人はその本ではないし、友人はあの人ではない。「料理本に小さじ1杯と表記されていても、我が家の味では小さじ1杯と半分必要」というのが、いま目の前にある本物の世界だ。そういった意味では、本も、あの人も、さほど重要ではない。

ティツィアーノは会うたびに、自分が得たもっとも新鮮なフレーズを教えてくれる。「大きな学びだったよ」ぼくはいまだに彼自身の言葉を聞いたことがない。



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